令和元年(2018)年11月16日~令和2年6日

ネパール自立生活センターラリトプルより健常者スタッフ研修生受け入れ

地震被災障害当事者の支援とエンパワーメント研修報告書

研修期間:令和元年1116日~令和226

【事業の背景と必要性】

2015425日、ネパールに大地震が襲い、カトゥマンドゥを含む14の郡で甚大な被害がもたらされた(ネパール大震災)。ネパール国内の障害者のうち36名が亡くなり、約2,000人が被災したと言われているほか、全体で22,000人を超える負傷者のうち、600人が脊椎損傷を負ったとされる。

提案団体では、2014年から全国自立生活センター協議会(JIL)九州ブロックのCILを中心に自立生活協会ネパールの障害当事者運動に対し、資金援助などを開始しました。そして2016年にJICA草の根の助成金で障害当事者による震災被災障害者のエンパワメントと主流化事業を実行しました。

これまでの経験で、障害のある人同士がお互いに話し合い励まし合うことで相互をエンパワメントする手法であるピア・カウンセリングや、障害をもった人が日常生活の様々な場面で必要となる技術や知識を体験的に獲得するとともに、社会的障壁の除去のための取り組みを実践するために、同じく障害を持つピアの力を借りて実施する自立生活プログラム(以下ILP)などがエンパワメントには非常に有効です。しかし、現状として重度障害者に対してこれらの支援や介助方法はネパールの行政や障害者団体には経験がなく、活動を続けていてもなかなか重度障害者は家から出ることができない状況があります.

2018年の事業の継続として、今回の事業は14年間ネパールで障害者の自立生活運動してきた障害当事者リーダー1名と、10年間ネパール障害者の生活をサポートしてきた介助者1名を3ヶ月沖縄に招聘し、沖縄の障害当事者との文化交流、重度障害者の介助方法や注意点、重度障害者と医療的ケアが必要な障害者の地域生活と必要なサポートや支援の方法について、ネパールと沖縄の双方の知識を深める交流を目指して研修を行います。

本事業を通し、ネパールからの研修生にとっては福祉先進国と呼ばれる日本からの技術支援を伴いながら、重度障害者の地域生活支援の取り組み手法のモデルケースとして示すことができ、今後沖縄の自立支援・障害者運動を担う若手当事者にとっては、ネパールの当事者からのエンパワメント、多文化の共生と理解を深め合うこと、制度をつくる過程などが見えることで知識だけに頼らない経験を得ることができます。

 

 

1.    沖縄の自立生活センターでの自立生活運動の実態と障害当事者主体で制度を組み立てるための学習について

 

今回の研修は沖縄県内三つの自立生活センターで研修を受けました。県内の自立生活センターは地域交流や障害があっても無くても共に暮らしやすいため様様の活動とイベントを開催し、研修生も一緒にインクルーシブの社会作りのため活動を体験しました。

2. 重度障害者の介助者研修と実習について

  ネパールの重度障害者地域生活支援のため安心、安全の介助し方を学んで帰国後同じ形の研修をネパールでも開催する予定、日本だけじゃなくてネパールの重度障害者も安心、安全で外へ出れるように広めていくよです

3.  沖縄で地域生活をする重度障害者の在宅訪問、ホームステイ、交流について

 

 今回の研修は5軒の在宅研修と3軒のホームステイを行いました。ネパールではイメージができない事を実際にホームステイと在宅訪問を通して重度障害者でも地域生活をできる事を理解できました。

4.アクセス視察と沖縄文化の体験

ネパールでは観光事業を中心している国なんですけど、インフラを全然整備していない状態で一般人でも社会参加を難しいと感じています。沖縄の研修では様様の施設訪問と観光地のバリアフリーチェックを通じて誰でも使いやすい環境づくりの大事さを理解しました。

 

琉球村の見学と琉装体験に通じて沖縄の文化と歴史は分かるようになりました。

ネパール料理を実際に作り、言葉や文化・風習などのちがい、最近のネパールの様子なども聞きながら相互交流を深めた。

制度ではなく文化として階級が残っていて、それが当たり前のネパールとないことが当たり前の沖縄で他の文化を知るきっかけになった。

当たり前にある事柄に対しても、制度や文化が構築されていくことを改めて理解し、またなぜそのようになったかも考えていくことができた。

ネパール家庭料理を皆で食べてみました

最後は研修の報告会を開催し、日本語を全然話せない時から研修を受け、最後は日本語で発表をできました